3月15日13時に第15期公募情報を公開いたしました。
4月1日13時より応募者登録サイトへの登録が可能です。
Information on the 15th call for applications was opened at 13:00 on 15 March.
Applicants can register on the registration website from 1 April at 13:00.
『功利主義の理論と実際』
マイケル・サンデルの「ハーバード白熱教室」が話題となったり、20世紀の政治哲学においてもっとも重要な著作のひとつであるジョン・ロールズの『正義論』の新訳が刊行されたりするなど、2010年の日本の(西洋)思想界は盛り上がりをみせましたが、サンデルやロールズが主要な批判対象としていたのが功利主義でした。「最大多数の最大幸福」というモットーで知られる功利主義は、しばしば「功利主義的」と「功利的(打算的)」という表現が混同されて用いられていることからも分かるように、多くの誤解にさらされ、不当に戯画化されています。
今回のセミナーでは、川名が功利主義について簡単に説明した後、功利主義の立場から現代における倫理的問題を論じている児玉聡氏に現代社会において功利主義的思考がもつ意義についてお話しいただきます。このセミナーでは、功利主義に対する素朴な誤解を解き、この魅力的な理論に対する「食わず嫌い」を解消する機会を提供したいと思います。
(付記)児玉氏は伊勢田哲治・樫則章編著『生命倫理学と功利主義』(ナカニシヤ出版)に論文を寄稿されている他、昨年末に『功利と直観-英米倫理思想史入門』(勁草書房)を公刊されています。