第146回白眉セミナー : 『 動く曲面の数学解析 』
  • 高棹 圭介(白眉センター・大学院理学研究科)
  • 2018/05/08 4:30pm
  • 白眉センター(学術研究支援棟1階)
  • 日本語 (大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)

要旨

物理現象として我々は、石鹸膜、水と油の境界、金属粒界等、多くの動く曲面を観察することができる。 それらをよく見てみると、消滅したり、ちぎれたり、重なったりと、様々な幾何的変化が起こることが分かる。 このような複雑な動きをする現象を数学的にどう解析すればよいだろうか? これらの曲面の動きを記述する偏微分方程式の一つとして平均曲率流方程式が知られている。 しかし、複雑な幾何学的変化によって、曲面の上で微分ができない点(特異点)が発生し、 偏微分方程式を考察できないことがある。 この問題に対して、幾何学的測度論や弱解と呼ばれる概念を用いることによって解析が可能となることを紹介し、 近年得られた弱解の存在定理を説明する。尚、本講演では数学の高度な予備知識は仮定しない。

関連する研究者

高棹 圭介