第138回白眉セミナー : 『落葉や枯死根を資源とする土壌小型節足動物の話』
  • 藤井 佐織(白眉センター・フィールド科学教育研究センター)
  • 2017/11/21 4:30pm
  • 白眉センター(学術研究支援棟1階)
  • 日本語 (大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)

要旨

紅葉が終わった後の落ち葉から始まる世界に興味をもつ人はどれくらいいるでしょうか? 落ち葉など枯死物の分解プロセスは生態系の炭素・窒素循環の基盤といえますが、その落ち葉に住み、分解に関わっている生き物の情報は多くありません。 生態学者の間で「貧者の熱帯雨林」と称されることもある土壌は、熱帯雨林にも匹敵するほどの生物多様性をもつといわれる生き物の宝庫です。 環境変動によって生物種の消失や群集の改変が予測されている現在、土壌生物の役割や生き様が分からないままでは、多様性が失われ物質循環のバランスも崩れてしまうかもしれません。 本発表では落ち葉のみならず枯死した根を起点とする生物群集にも焦点をあて、複雑に入り組んだ土壌生物の生き様を紹介します。 見頃の紅葉よりも足元の世界が気になって仕方なくなるような講演ができればと思います。


※ 藤井さんの発表の後に、榎戸輝揚さん(6期)より研究成果報告をしていただきます。

関連する研究者

藤井 佐織