第133回白眉セミナー : 『フォンノイマン環論の紹介』
  • 磯野 優介(京都大学白眉センター)
  • 2017/07/18 4:30pm
  • 白眉センター(学術研究支援棟1階)
  • 日本語 (大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)

要旨

フォンノイマン環論とは,フォンノイマンが量子力学を研究するために作った数学理論である. 非常に雑に言えば,大学一年生で学ぶ線形代数を「無限に大きなサイズの行列」に対して考えるものである. 当初は物理学への応用を念頭において研究されていたが,現在では純粋な数学理論としても研究されている. 実際,K理論,結び目,エルゴード理論,表現論など多くの数学理論と密接に関係しており,非常に興味深い数学理論である. 一方で,無限次元である事が原因で,その取扱いは極めて難解である. いわゆる代数,幾何,解析のそれぞれの知識を活用した研究が必要とされる.
この講演では,数学理論としてのフォンノイマン環論の紹介を行う.特に予備知識は仮定せず, どのように定義されるのか,どのような点が難しいのか,どのような問題を考えているのか, 等の基本的な事を理解してもらう事を目標とする.

関連する研究者

磯野 優介