第125回白眉セミナー : 『パーソナリティ特性と精神病理傾向に関する発達行動遺伝学』
  • 高橋雄介(京都大学白眉センター)
  • 2017/02/07 4:30pm
  • 白眉センター(学術研究支援棟1階)
  • 日本語(大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)

要旨

人間行動遺伝学は,一卵性双生児と二卵性双生児の双方の方々にご協力をいただくことによって, その両者の遺伝的共有度の違いを手掛かりとして,統計的に遺伝と環境の影響を切り分けることを可能にする方法論です。 本邦においてはまだなじみの薄い学問領域ではありますが,双生児データに基づく人間行動遺伝学は, 調査データや行動データに潜む遺伝と環境の影響の交絡を解くことのできる唯一の方法です。 本報告では,人間行動遺伝学における3つの基本的な分析方法である単変量遺伝分析・多変量遺伝分析・遺伝環境交互作用分析について, 人間のパーソナリティ特性の個人差と精神病理的な傾向とりわけ抑うつ気分と不安症状を取り上げて, 具体的な知見とともにご紹介し,今後の研究プロジェクトの展開や課題・限界点そして共同研究の可能性などについて議論したいと思います。

関連する研究者

高橋 雄介