第122回白眉セミナー : 『高密度天体と突発的天体現象』
  • 川中宣太(京都大学白眉センター)
  • 2016/12/20 4:30pm
  • 白眉センター(学術研究支援棟1階)
  • 英語(大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)

要旨

宇宙にあるものといえば皆さんは何を想像するでしょうか。星座を構成するような星 や天の川(銀河)などを真っ先に思い浮かべる方が多いと思います。しかし、私の研 究課題「突発的天体現象」における主役は、むしろ星が一生を終えたあとに残る天体 です。たとえば、太陽の8倍以上の質量を持つ星は、一生を終える瞬間に超新星と呼 ばれる大爆発を起こします。また、爆発後には中性子星(パルサー)やブラックホールといった高密度天体が形成され、これらも非常に明るく輝き、また激しい光度変動を示すことが知られています。さらに超新星や高密度天体は電磁波のみならず、 ニュートリノや高エネルギー粒子(宇宙線)といった多様なメッセンジャーを放出すると考えられます。このようにある意味星は一生を終えた後のほうが激しく多様な活動性を示すと言えます。本講演ではこれまでの高密度天体の研究の歴史と、それらが引き起こす突発的天体現象を(特に私の研究対象を重点的に)紹介していきたいと思 います。

* 川中さんの発表前に、山道真人さん(5期)に簡単な留学報告をしていただきま す。山道さんは、コーネル大学・UCデイビス・UCバークレーで、生態学・進化生物学の理論研究を行って来られました。

関連する研究者

川中 宣太