第121回白眉セミナー : 『百年先の言語学』
- 藤原敬介(京都大学白眉センター)
- 2016/12/06 4:30pm
- 白眉センター(学術研究支援棟1階)
- 日本語 (大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)
要旨
「あいうえお」や「ABC」がなぜそのような順番にならんでいるか、かんがえてみたことはあるでしょうか。本講演では、ことばの不思議にかんする身近な事例をとおして、言語学的なかんがえかたの一端をまず紹介します。つづいて、言語学のさまざまな分野の中で少数言語の研究がなぜ重要であるかを考察し、ことばはなぜ死語になるかについて、私見をのべます。最後に、ことばをさかのぼる手段である「比較方法」(複数言語との比較をとおして歴史をさかのぼる方法)と「内的再建」(一言語の資料だけから歴史をさかのぼる方法)について説明します。これまでの百年も、この先の百年もかわらずにおこなわれるであろう言語学の挑戦を紹介する機会にしたいとおもいます。
* 藤原さんの発表前に、米田英嗣さん(4期)に留学の簡単な報告をしていただきます。米田さんは、ロンドン大学ゴールドスミス校で、発達性協調運動障害を持つ成人の時間知覚の研究をおこなって来られました。