第110回白眉セミナー : 『「ユビキチンコード」の解読』
- 金玟秀 (京都大学白眉センター)
- 2016/03/15 4:30pm
- 白眉センター(学術研究支援棟1階)
- 英語 (大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)
要旨
我々のからだにおいて、脳や心臓、肺などの器官が正常に形成され、機能するためには蛋白質と呼ばれる生体分子が重要です。この蛋白質は我々のDNAに保存されている遺伝情報を基に、アミノ酸がつながれることによって合成されますが、合成された後で多様な修飾を受けることが知られています。私は「ユビキチン」と呼ばれる小さい蛋白質を研究しています。ユビキチンは様々な蛋白質に付加され、本来の蛋白質が持つ機能や安定性を制御します。このユビキチン修飾系は真核生物のみに高度に保存されている蛋白質修飾系だと考えられていましたが、近年、細菌もユビキチン修飾系を利用することがわかってきました。本セミナーでは、正常の個体形成や生理機能だけでなく、癌や神経変性疾患、感染症などの幅広い病気にも深く関わる「ユビキチンコード」を紹介したいと思います。