第108回白眉セミナー : 『拡散MRIによるがん診断へのインパクト』
  • 飯間 麻美 (京都大学白眉センター)
  • 2016/02/02 4:30pm
  • 白眉センター(学術研究支援棟1階)
  • 英語 (大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)

要旨

拡散MRIは組織の微細構造に関する情報を得るために水分子のブラウン運動を画像化した概念であり、急性期脳梗塞を始めとする神経疾患の診断が可能な技術として臨床で幅広く使用されてきました。近年、拡散MRIはがんの検出や診断に非常に役立つことが明らかになってきました。様々ながんの効率的な治療法が利用可能となってきている現状においては、最適な治療法を選択する際に有用かつ非侵襲的な画像診断法の開発が必要不可欠です。非ガウス的分子拡散に鋭敏な拡散MRIの進歩に伴って、灌流を始めとする様々な腫瘍の特徴を反映した新たなバイオマーカーの創出が造影剤を使用せずとも可能であり、本セミナーでは前臨床モデルを用いた基礎研究から臨床応用に向けた取り組みをご紹介します。

なお、セミナー冒頭に、第六期の荻原裕敏さんより言語学の基礎的な事項についてご紹介頂く予定です。

関連する研究者

飯間 麻美