第102回白眉セミナー : 『素数、整数、有理数、実数、複素数、そしてモジュラー形式』
- 山名 俊介 (京都大学白眉センター)
- 2015/10/20 4:30pm
- 白眉センター(iCeMS西館2階 会議室)
- 英語 (大学院生を含めた学内の研究者が主な対象の公開セミナー)
要旨
「数学には5つの基本操作がある。それらは加減乗除とモジュラー形式である。」とは卓越した数学者Martin Eichlerの言葉である。数論は素朴そうな問題を研究するにも関わらず、しばしば高度で神秘的ですらある対象が答えを教えてくれる。モジュラー形式やL関数もそのようなものである。例えば、Andrew WilesはFermatの最終定理を楕円曲線のL関数の親たちがモジュラー形式であることを突き止めて証明した。講演者の最近の研究テーマは、そんなモジュラー形式たちを系統的かつ具体的に構成することである。モジュラー形式は数の秘密を沢山知っている、そんな雰囲気が数学に馴染みのない方たちにも伝えることができるよう目指してみたい。
今回はセミナー冒頭に、5期の Stefan Gruber さんに最近の研究活動について報告・紹介していただく予定です。