第1回白眉セミナー : 『越境・跨境のすすめ』
  • 田中 耕司 プログラムマネージャー(特任教授)(京都大学次世代研究者育成センター)
  • 2010-04-13 16:00:00
  • 次世代研究者育成センター(iCeMS西館2階 会議室)
  • 日本語

要旨

第1回の白眉セミナーを担当する意図は2つあります。一つは、はじめて会うことになった白眉研究者の皆さんに自己紹介を兼ねてわたしが行ってきた研究の一部を紹介することです。もう一つは、理系から文系まで多分野の研究者が一堂に会してこれから定期的にセミナーが開催されますので、できれば今後のセミナーの一つの範型を示してみたいという狙いがあります。その狙いを込めて、発表タイトルを「越境・跨境のすすめ」としました。 セミナーでは、わたしが進めてきた東南アジア研究の一端を、フィールドワークという手法の紹介をかねて話します。「地域研究」という分野は、実は、一つの「ディシプリン」なのか、それともさまざまなディシプリンの研究者がある地域を対象に共同研究を行う「アリーナ」なのかという議論がずいぶん前からあり、いまも続いています。しかし、その議論にかかわらず、フィールドワークを重視するという点では共通しています。そういったフィールドワークで得られた成果を紹介します。また、戦前期の日本人科学者による熱帯関与という、最近、わたしが関心をいだいている課題についても紹介します。このような紹介を通じてわたし自身がさまざまな分野を横断する研究アプローチをとってきたことを理解いただければと思います。同時に、白眉研究者の皆さんに、越境・跨境の必要性を訴えることができればと期待しています。

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