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2017 年 9 月に東京大学の教養学部・大学院総合文化研究科に赴任して、そろそろ 1 年が経とうとしています。大学入学直後の 2 年間を過ごした駒場キャンパスには、2005 年 3月に弥生キャンパスに移って以来なので、12 年ぶりに戻ってきたことになります。駒場には、さまざまな研究分野を含む総合文化研究科の他にも、数理科学研究科・生産技術研究所・先端科学技術研究センターがあり、まさに白眉センターのように多分野が入り混じる学際的な場所です。実際、白眉 2 期の沙川さん(物理学)、3 期の江間さん(科学技術社会論)・クロイドンさん(政治学・国際関係論)・三枝さん(数論幾何学)、6 期の石本さん(流体力学)も、白眉センターから駒場に赴任されたそうです。
駒場キャンパスでは、教養学部の前期課程・後期課程と大学院総合文化研究科の講義や実習を担当しています。50 人以上の学生が受講する前期課程の講義や、英語のみで行われる教養学部英語コース(PEAK)の講義、学生・TA・教員合わせて 4 人で行った後期課程の実習など、さまざまな経験がとても新鮮です。また、2018 年 4 月からは大学院生 1 名、学部生 2 名が研究室に加わり、分野の近い 2 つの研究室と合同で、週に 1 回、論文紹介・進捗報告セミナーを開催しています。4 月から 5 月にかけては、ミシシッピ大学の Peter C. Zee 博士が 1 ヶ月間滞在し、客員教員として講義を行って頂くとともに、共同研究を進めました。ここでは、白眉センターに所属していた 3 年 5 ヶ月間のうち、ジョン万プログラムの援助を得て渡米した 1 年の間に培った、人のつながりを生かすことができました。
教育以外に委員等の業務も多くなってきましたが、昨秋にはドイツ・オーストリアへ、今夏は中国・米国へ渡航し、共同研究を進めることができました。発展著しい中国や、長い研究の伝統がある欧米を横目で見つつ、日本の東京でどのように生態学・進化生物学の理論を発展させていくことができるか、思案する日々です。これからも白眉時代に得た経験を礎に、研究と教育に精進していきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
Zee博士と、根津神社にて
(やまみち まさと)