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小学校・中学校の校歌の歌詞に筑波山と利根川が登場していたので、地元のつもりで新天地に着任しましたが、大学の一歩外では「~だっぺ」以外の方言の難易度が意外に高く、程よい緊張感の中で通勤しています。
ノーベル賞受賞者とオリンピック金メダリストの双方を輩出した国内唯一の機関で、東京大学よりも設立の古い東京師範学校を前身とし、好むと好まざるにかかわらず不断の改革が運命付けられている大学、というのが新任教職員への学長挨拶の趣旨でした。各種大学ランキング(に一喜一憂すべきかはともかく)の基準の一つである〈国際性〉は比較的高めに評価されており、様々なレベルでのトランスボーダー化をさらに推進していくようです。
私は〈人文社会国際比較研究機構〉という組織にも配属されました。国公立の文系分野の見直し論は二転三転しながら議論が続いていますが、不可逆的に台所事情が厳しさを増している情勢下でのインド哲学仏教学のポスト新設は奇跡のようでした。医学出身の学長を始め本学全体からの人文学に対する理解に支えられ、〈海外教育研究ユニット招致〉という国際力強化プロジェクトが人文社会系でも立ち上げられた中での公募発動だったとのこと、縁と奇跡が重なったことを改めて実感し、襟を正しています。
系・学群・学類という独特の組織に少し馴れた頃、おそるおそるバドミントン部の練習を覗いてみました。国内・海外の大学バドミントン界の第一線で活躍する選手、元実業団選手を含め指導者の道を志す者、パラリンピックへの出場を目指す学生など、多様な目標を抱えた部員が授業の合間を縫って切磋琢磨する一方で、2020 年に向けたジュニア世代の育成や草の根的な海外交流をしていました。ちなみに今年度、男子は関東 1 部リーグ復帰、女子は春・秋の関東リーグ戦、東日本大会、インカレという主要大会を全て制覇しています。
スポーツを科学する本学体育会の練習を横目に、その隣のコートで教職員の羽根つきに汗を流しつつ、古典学や人社系の未来に思いを馳せたりもします。緊密な国際連携と高度にバランスのとれた多様性、組織への強いコミットメントと弾力的なバックアップ体制など「強い組織」のキーワードを模索しています。
U16 モルディブ代表選手との交流会にたまたま同席し、
大人気の学食 Marhaban の本格的ハラール料理で汗が止まらない筆者(上段左端)
(しだ たいせい)