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4年間在籍した白眉を離れ、1年ほど前に生命科学研究科に異動しました。白眉時代に居候していた研究室にそのまま居着いてしまったかたちです。生命科学研究科は、1999年に設立された比較的新しい研究科です。日本では伝統的に、主に理学、農学、薬学、および医学の研究室が生命科学研究を担ってきましたが、生命科学研究科ではこれらのバックグラウンドを持つ研究者が一つの研究科に集まって相互作用しながら、広く深く生命を理解して応用に繋げようとしています。そのため、何かにつけて研究科内の交流をとても大切にしていると感じます。特に毎年開催される研究科全体のシンポジウムでは、全ての教員が2年に一度は発表をおこなっており、それぞれの教員が現在何を研究しているかが分かるように工夫されています。
白眉センターを出たら研究以外の仕事を色々とやらなければならない、と以前から脅かされていましたが、残念ながらその通りでした。ただ、新たに参加することとなった学内や研究科内の委員会は、白眉のワーキンググループの場合と同じで、普段は話す機会の少ない教員ともコミュニケーションできる良い機会になっていると思います。また、委員会の業務内容もこれまであまり経験したことのないものばかりですので、比較的楽しみながら取り組んでいます。
白眉センターに在籍した4年間の間は、研究の幅を広げ、研究者として生きるニッチを探すために、様々な試行錯誤を繰り返すことに費やすことができました。失敗に終わったことも多いですが、一部についてはようやく成果がまとまりつつあり、今後の研究の方向性もかなり固まってきたように思います。どうしても白眉時代と比べると、自分自身が研究に打ち込める時間は減ってしまっていますが、幸い2名の修士学生と1名のポスドクが私の研究グループに加わってくれています。日々彼らと実験して議論することで、白眉時代に播いた種をこれから大きく育てていきたいと思います。
所属研究室のお花見にて。後列左から3人目が筆者。
(いまむら ひろみ)