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京都鴨川の西側と東側でこれほど学術や文化が違うとは思ってもいなかったというのが、同志社大学に着任してからの感想です。2016年4月からグローバル地域文化学部にて准教授として着任しました。院生時代から今出川駅付近は自転車や電車、バスを使ってうろうろしていましたが、今思えば使っていたのは201号系統と203号系統といった東西に走る路線ばかりで、南北に続く道、とくに今出川北部に同志社大学のキャンパスが繋がっているというのは3年前に面接を受けに行くまで知りませんでした。チャペルを中心にレンガ作りの建物が並び、自転車や徒歩で楽しく語りながら歩く学生の姿、校舎内はスクールカラーの紫色があちらこちらで使われ、独特の雰囲気を生み出しています。
環境面でのカルチャーショックに加えて、研究・教育環境もずいぶん異なり、これまで研究むき出しの生活を送ってきた私には、大学内で行われる諸業務の対応の仕方がいまいちわからず、先輩教員を見よう見まねで何とか処理しています。しかし、地下鉄京都駅とつながっているという立地の良さもあり、以前から続けていた京大の研究会を学内で実施することで、研究仲間も気楽に参加できるということでメリットも大きいと実感中です。また、私の調査対象とする東南アジア・東アジア研究者が学内のあちらこちらに所属されておられて、その集いである研究会にも出させていただき、所属は変われど新たな研究メンバーとの出会いと知的発見があり、好奇心が刺激されます。さらに学内の院生や若手研究者といった研究を志す人や私と同じ経験を共有でき、議論できる仲間が少しずつ広がっているのは教育のみに追われない環境としてとても感謝しています。
今後はこれまで深い交流があまりなかった鴨東側と鴨西側の学生や研究者、さらには留学生が双方をいききして、おもしろいネットワークができればと期待しています。与えられた環境で何ができるのか、周りのサポートをいただきながら模索を続けていきたいと思っています。移民研究はネットワーク研究でもあるので、その本領を発揮できるか?あらたな課題と挑戦に向けて取り組んでいきたいです。
(おう りゅうらん)