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農学研究科での採用の話があったのは、着任して間もない―白眉の新年会(兼歓迎会)を翌週に控えた1月半ばでした。その時の心境を軽薄に表現すれば、一生に一度口にできるかどうかの豪勢なディナーコースが目の前に並んでいて、さあ食べようと思った矢先に大本命のデザートが横から出てきて、どちらか選べと言われたような気分でした。料理を味わった後でデザートが出てきたら申し分なかったのに。贅沢なだけに苦渋の選択でした。
現在、私が所属する応用生命科学専攻では新しい試みが動き出そうとしています。教員が自分の研究室に閉じ籠ることなく、積極的に他研究室へ出向いて研究し、アイデアを交わす。人も技術も自由に行き来することで専攻全体を活性化させていく。ヨーロッパ諸国がEUになった時のように様々な困難がありそうですが、チャレンジングで創造的な空気をここでも感じます。
勤務地が京大内ということもありますが、幸運にも一部の白眉メンバーが隣に新築された北部総合教育研究棟に引っ越して来られたおかげで、疎遠になるどころかますます付き合いが深まってきました。離職・現役、学内外の区別なく、互いに刺激し合える人間関係をここから広げて行きたいと思います。
(よしなが なおこ)