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白眉センターを離れて神戸大学に着任してからあっという間に3年目を迎えています。私が着任当初に感じたのは、生物学専攻では非常にアットホームな雰囲気で、分子から生態系まで専門分野の垣根を越えた研究相談、あるいは教員生活に関する日常的な相談ができるということでした。このことは、私が初めて自らの研究室を主導する上でとても大きな助けになっているとともに、研究面では専攻内で分野横断的な共同研究をスタートすることに繋がっています。
私の研究室には、「野外で生物の研究をしたい!」という意欲をもった元気な大学院生・学部生がきてくれています。現在、研究室のメンバーは大学院生3名と学部生2名になっています。また、今夏からは、国立台湾大学から国費留学生を迎える予定です。私たちは、「つながりの生態学」をキーワードに、自然界で織り成される個体間、あるいは個体群間の相互作用を紐解く研究を進めています。春から秋にかけては野外調査に出かけることが多く楽しいのですが、同時に学生が安全に研究活動をできるように、連絡体制の整備や安全対策の確認等に日ごろから気を付けています。自分自身が学生のときには指導教員に十分に連絡せずに野外調査に出てしまっていたことを思い出し、少し後ろめたい気持ちになったりもしています。
大学での講義・実習担当や委員会等の業務も少しずつ増えています。正直なところ、白眉センターに在職したときの自由さを思うと、研究に使える時間が少なくなっていることに戸惑うこともあります。しかし、講義や実習において、学生たちから素朴な疑問を投げかけられることで、生態学について今一度深く考える機会をもらうこともあります。また、学内の委員会等を通して、大学についての理解が深まったり、専攻外の教職員と知り合えたりすることはもう少し長い目でみると財産になると思っています。
白眉センターで過ごした貴重な時間を基礎として、神戸大学の新たな仲間たちとさらに飛躍できるように日々精進しているつもりです。
神戸大学附属食資源教育研究センターの大規模野外実験サイトにて。
佐藤(右端)と佐藤研の学生諸氏。農場の敷地内に配置した32個の大型プールを用いて、ため池生態系と周辺の陸域生態系の相互作用を解明する研究を開始しました!
(さとう たくや)