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伯楽会議による面接は千里山交番襲撃事件(2019年6月16日)を話題に乗り切り、白眉セミナーでは米国で93人を殺害したシリアルキラーのサミュエル・リトルとホロコーストを比較し、白眉合宿ではミニスカでエレキギターを弾く写真を公開しました。ちょっとやばい人という印象だけを残して(しかも半年だけの在職で)白眉を去ってしまった私に、このポスト白眉、を語る資格はあるのかとも思いましたが、顔も合わせることができなかった同期や第11期の皆様からのご依頼もあり、なんらかのかたちで白眉に貢献したいという気持ちから、白眉を離任してからの日々と、改めて感じた白眉への感謝について、簡単にご報告いたします。
白眉研究者としてやりたかった研究(中核犯罪の特別性の研究)は中座し、いざ、教育へ、と息巻いて赴任した2020年4月、新型コロナ感染症に伴う措置で着任式は中止、そのまま1か月休講、続くオンライン授業に備え、講義ビデオを収録する日々が突如始まりました。立命館に入学したての新入生と、「なにがなんだかわからないね」と慣れないZoomで嘆き合い、留学生が受講生の大半を占める授業(オンデマンド)では、保育園に行けない息子の声が入らないかびくびくしながらYouTuberの話し方を学んで一人画面に向かって話し、つい笑ってしまって再収録、を続ける日々を送りました。
2020年秋学期からは、教室に中継用のカメラ機材が導入され、ハイブリッド授業が始まりました。パソコンだけでなくiPadやiPadスタンド等の機材を抱え、教室内でADさんのように三脚を担いでアングルチェンジや画面共有の切り替えをしていると気持ちが腐ってきて「私はカメアシになるために赴任したのか」というような気持ちになることもありました。そんな努力の甲斐もあって(?)(数えるほどしか出講していない)立命館大学からは、(新任教員なのに)オンライン授業についての記事執筆や講演依頼などがくるようになり、そのつど調べ物をしたりしながら、2020年はなんだかオンライン授業の知識や技術習得に費やしてしまった感じがあります。
そんな中、白眉セミナーがZoom 開催になり、時間の許すときは覗きに行ったりしていると、懐かしい名前が画面上で見えて、少しほっとしたり、めらめらと研究意欲がわいてきたりして、元白眉であることの恩恵を強く感じています。白眉の皆さんの、コロナ禍ならではの研究などを見ると、こちらもその気になってきて、オンライン法廷や欠席裁判について少し論文を書いたり、新型コロナウィルスの蔓延が「人道に対する犯罪」にあたるといった論調について分析したりし始めました。離任後も刺激を与えてくださる白眉に感謝しつつ、またこれから部屋着でZoom 授業です(執筆時、2021年5月28日、緊急事態宣言中のため)。
ハイブリッド授業の様子:時々カメラ目線で話しかけます
(おち めぐみ)