以下の13名が白眉研究者として研究活動を行っております。
GL:グローバル型(従来型)
TT:部局連携型(卓越研究員型)
専門領域: 昆虫内部共生
研究課題: 性を操る微生物に学ぶ:昆虫の共生細菌による生殖操作を包括的に理解し応用する
受入先部局: 生命科学研究科
直前所属: スイス連邦工科大学ローザンヌ校
地球上に住む昆虫の約半数には,何らかの微生物が共生していると推測されています。これら共生微生物は,ただ感染して次世代に伝播されるだけではありません。宿主昆虫の生存力や繁殖力を向上させる,あるいは天敵から保護するなど,多彩かつ特異な相互作用を進化させることで,宿主と共に生き延びてきました。一方,共生微生物のなかには,宿主昆虫の生殖を操作することで,自身の感染を広めようとする利己的なものもいます。私は,共生微生物による生殖操作のなかでも,感染したメスの産む子孫のうちオスだけが殺される「オス殺し(male killing)」の仕組みを分子のレベルで研究してきました。白眉プロジェクトでは,これまでに発見した共生細菌由来「オス殺し毒素」の作用機序を追究するとともに,他の昆虫—共生微生物系にも研究を広げます。奇妙な共生現象の背景にある分子機構を解き明かし,基礎生物学に新発見を,ひいては有害昆虫による世界的な問題の解決へ向けた技術基盤の確立を目指します。