以下の13名が白眉研究者として研究活動を行っております。
GL:グローバル型(従来型)
TT:部局連携型(卓越研究員型)
専門領域: 分子神経科学
研究課題: 『心の動きを支える記憶をクロマチンから知る』
我々は様々な経験を記憶として脳内に長期貯蔵し、その記憶情報を適時読み出すことにより、社会生活を営んでいます。その機能が破綻した症状、例えば認知症等で見られる記憶機能の低下は生活の質を著しく低下させることからも、記憶研究における社会的要求度は高いと考えられます。長期な記憶を形成するためには、クロマチン修飾を含めた遺伝子発現誘導が必須であり、これは種を超えた共通メカニズムです。しかしながら、脳はすべての経験を記憶情報として固定化するわけではなく、その後の生活や生存に大きく寄与するような事柄を抜粋し、記憶しています。従って、単純な神経活動ではなく、なんらかの脳情報処理が遺伝子発現を誘導し、記憶を固定化するはずだと私は考えてきました。本研究では、どのような脳情報処理がなされ、どのような分子メカニズムでクロマチン修飾を制御するのか、これらの問題を解き明かすことを目指します。