専門領域: 言語学
研究課題: 『文脈の中の言語:古代イタリア諸言語が映し出す宗教的精神活動』
幼稚園から小学校に上がる頃、天体図鑑に描かれた星座を食い入るように見つめ、その名前の暗記に血道を上げる日々でした。ほどなくして天体への関心は憑き物が落ちたようにすっかり影を潜めてしまいましたが、学部生のとき印欧比較言語学に出会いヨーロッパの古典語を学ぶに至って、遠い記憶の彼方で仄かに瞬く星座の「語り手」- ギリシア・ローマ文化と不思議な再会を果たしました。言語学者として目指していることは、ラテン語をはじめとする古代イタリア諸言語の音韻・形態の歴史的変化をたどることですが、それらの言語がもつ文化的背景への憧れや畏れを失ったことはありません。古文献を読む人間の一人として、その語り手の「想い」に少しでも近づくことが今の目標です。