京都大学 白眉センター

第2期

自己紹介

太陽の数億倍もの質量を持つとされる巨大ブラックホールは、宇宙137億年の歴史の中でいつどのように現れ、どうやって成長を遂げてきたのでしょうか。現代天文学に残された未解決問題である巨大ブラックホールの形成と進化の問題に、観測的な手法で挑みます。過去の巨大ブラックホール天体の深宇宙探査観測では、多数存在するはずとされる暗い巨大ブラックホール天体が見落とされていました。また、約130億光年以上遠方にある巨大ブラックホールについてはほとんど未開拓であり、そのため巨大ブラックホールの形成期の姿が捉えられていませんでした。こうした状況を打破するため、私は国内の関連研究者や国外のプリンストン大学などの研究者との国際共同研究により、かつてない大規模な広視野多色探査観測を遂行し、巨大ブラックホール天体を系統的に探査しようとしています。また、主にローマ天文台やフィレンツェ大学といったイタリアの研究グループとの共同研究により、遠方宇宙の巨大ブラックホール天体のスペクトル解析を通して巨大ブラックホール周辺部の化学組成を系統的に調査します。この研究により、巨大ブラックホールと銀河が宇宙論的な年月の中で共進化を遂げてきた過程についても理解を進めていこうとしています。

関連ニュース

• 2012年06月15日

  共同研究成果　124億光年彼方の銀河の「成分調査」 「Astronomy and Astrophysics」に掲載。