GL:グローバル型(従来型)
TT:部局連携型(卓越研究員型)
専門領域: 幹細胞生物学、分子生物学、ヒト進化学
研究課題: 霊長類特異的転移因子によるヒト幹細胞運命決定遺伝子の進化
受入先部局: 高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)
直前所属: 高等研究院ヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)
我々ヒトと他の霊長類の生物としての違いは、異なるゲノム進化の結果によってもたらされてきました。ゲノムの変化は新たな遺伝子やアミノ酸配列の異なるタンパク質などをもたらします。また、転写調節領域に起きた変異による遺伝子発現の量やタイミングの変化も種の違いを生み出します。このようなゲノムの配列変化をもたらす要因の一つが転移因子です。転移因子は挿入と増殖によってゲノムと発現をダイナミックに変化させてきており、ヒトゲノムにおいては約半数を構成する要素でもあります。しかし転移因子によるゲノム進化とそれによってもたらされる生物の形態・機能としての進化の理解にはいまだ大きな隔たりがあります。転移因子は霊長類のゲノム進化と生物学的変化に何をもたらしたのか?これが私の知りたいことです。転移因子の一つであるHERVHの解析を通しゲノム進化と機能進化を関連付けて研究することで、ヒトの生物としての成り立ちを理解することを目指します。