GL:グローバル型(従来型)
TT:部局連携型(卓越研究員型)
専門領域: 比較認知科学
研究課題: 4本足の知性:家畜は世界をどう見ているか
受入先部局: 野生動物研究センター
直前所属: 国立研究開発法人情報通信研究機構 未来ICT研究所 脳情報通信融合研究センター
人間は何千年にもわたって動物を家畜化してきました。家畜が人間にどのような利益をもたらすかについては、これまで多くの研究がなされてきましたが、家畜がどのように世界を認識しているか、人間がどのように家畜の福祉を向上させることができるかについては、最近新たに研究されるようになってきました。私は、家畜動物に焦点を当て、その知覚を体系的に研究し、同じ属の野生動物と比較することを計画しています。これらの調査により、彼らがどのように環境を認識し、適応しているのか、また、進化的要因や人的要因がどのように心を形成しているのかが明らかになります。
具体的には、形態や形状に対する知覚、社会的手掛かりの知覚、クロスモーダル知覚の研究に興味があります。彼らの形態や形状の知覚に関する研究によって、視知覚の基本的かつ重要な特性を明らかにすることができます。顔や体に対する知覚など、社会的手掛かりの知覚に関する研究は、ヒトや同種の動物からどのように社会的手掛かりを受け取るかを明らかにするのに役立つと期待できます。クロスモーダル知覚の研究により、複数の感覚チャンネルや経路からの情報をどのように調整するのかについての知見が得られるでしょう。同時に、種を超えて比較し、異なる生理構造や家畜化の歴史の影響を検証する予定です。これらの調査により、家畜がどのように世界を認識し、どのように人為的環境に適応し、進化や人的要因によってどのようにこころが形成されるかという実態の興味深い部分が明らかにされるでしょう。