GL:グローバル型(従来型)
TT:部局連携型(卓越研究員型)
専門領域: 経済・資源地理学
研究課題: 低炭素移行への資金融資:東南アジアの脱炭素化を支援する日本の「グリーン成長戦略」の再編成
受入先部局: 東南アジア地域研究研究所
直前所属: 東南アジア地域研究研究所
日本は自国の主要産業の変革により脱炭素化を実現する「グリーン成長戦略」を通じて、2050年までに実質ゼロ排出を達成すると宣言した。その重要性は認めるが、国内産業の炭素強度(carbon intensity)を見れば、日本は対外的には依然としてCO2の排出大国であり続けている。また日本は世界の電力事業の有力な資金提供国でもあり、過去10年以上にわたり、特に東南アジアの新興経済国において、主に化石燃料(石炭、石油、ガス)をベースとした事業を行なってきた。本研究では、このような資金供与を、再生可能エネルギー(太陽光、風力等)やゼロエミッション代替エネルギー(二酸化炭素回収を伴う化石燃料、水素)の援助へとどのように振り向けることができるかを検討し、日本と受益国の排出量削減の公約を支援する。低炭素社会への移行に向けた資金調達は、現代における喫緊の課題の一つであり、気候変動による壊滅的な影響を防ぐため、地球の気温上昇を1.5℃以内に抑えることが極めて重要であると考えられている。本研究は、東アジアおよび東南アジア地域におけるエネルギー転換の動きをふまえ、「転換期の資金調達」に関する学術的・政策的議論に時宜に適った形で関与することを目的としている。