以下の14名が白眉研究者として研究活動を行っております。
GL:グローバル型(従来型)
TT:部局連携型(卓越研究員型)
専門領域: 霊長類発生生物学
研究課題: カニクイザルを用いた着床直後の胚発生メカニズム解明
受入先部局: 高等研究院 ヒト生物学高等研究拠点 (WPI-ASHBi)
直前所属: 京都大学大学院 医学研究科
発生学とは、1つの受精卵(胚)から生物個体がどのようなメカニズムで構築されていくかを探求する学問です。ヒト胚発生の中でも着床直後というのはダイナミックな形態変化を伴いながら、均質な多能性細胞群 Epiblast から多様性を持つ三胚葉分化細胞を初めて生みだす時期です。このことからヒト着床直後は、受精の「生命の誕生」に対し「“ 個 ” であるヒトの起始」ともとらえられる極めて根源的な時期です。にも関わらずいくつかの決定的な阻害要因により、我々の知識は100年ほど前の形態学的な知見に止まったまま。つまり我々はヒトの起始メカニズムを知りません。私はこれまで最もヒトに近縁かつ実験可能な非ヒト霊長類(non-human primate; NHP)であるカニクイザルをモデルに、マウスを用いた研究では知りえない様々な霊長類特異的な発生現象を観察してきました。白眉の5年間では、カニクイザルを用いたこれまでの研究を発展させ、着床直後の複雑かつダイナミックな変化を伴う胚発生メカニズムの包括的な理解を目指すとともに、更なる霊長類着床後研究のための実験的基盤の構築を目指します。そして最終的にはヒトの起始メカニズムの理解を目指します。