以下の13名が白眉研究者として研究活動を行っております。
GL:グローバル型(従来型)
TT:部局連携型(卓越研究員型)
専門領域: 宗教学,日本史
研究課題: 日本中世仏教文献(聖教)をめぐるデジタル・フィロロジー — 日本密教史の再考試論
日本中世密教の聖なるテクスト(聖教)は,日本語化した漢文(および稀にサンスクリット)で執筆された佛教教義・教典の規範的な解説,儀式のマニュアル,または口伝えの教えを文字化した資料の総体である。このような資料は,従来までは佛教哲学の限られた分野でのみ使用されているが,現在は歴史学・美術史学・文学など様々な分野で着目される。こうしたマニュスクリプトを,京都という立地を活かして,積極的に調査し,翻刻していく。資料に基づく,このような伝統的な実証的研究に加え,電子化したデータをデジタル・ヒューマニティーズの手法により科学的に分析する。
本研究は,新旧の方法論を使用することで,密教文化継承の史的過程を日本仏教における宗派意識の強化という軸で分析する。それだけではなく,宗派意識顕在化の副産物ともいえる真言密教に顕れた異端概念を解明するなど,日本仏教の思想と文化を長期間にわたって捉え直していく。