専門領域: ヒト遺伝学、生命工学
研究課題: 『ヒト幹細胞遺伝子工学によるノンコーディングDNAの機能評価』
DNAは生命の設計図であり、初期胚の形成や成熟個体の恒常性維持に必要な情報を含んでいます。興味深いことに、私たちのDNA配列の大部分は進化的に保存されており、同じ特徴を備えています。では、どうして共通の遺伝情報から、様々な多様性が生みだされるのでしょうか?この問いに答えるため、様々なゲノム領域を比較し、保存されたDNA配列の解析を行なっています。また、「分子のはさみ」を用いてDNAを切断・編集するといったゲノムエンジニアリングを活用し、設計図からどのように情報が読み出されるのかを調べています。DNAの読み出し方を変化させることによって、多様性を生み出すことが可能となるのです。さらに、脳の複雑性を生み出す遺伝情報の仕組みにもアプローチする予定です。私たちのゲノムを理解することで、進化、発生、病気のメカニズムを明らかにし、何がヒトをヒト足らしめるのか、という問いに対する答えを見つけることを目指します。