第5期白眉離任式(2019年2月26日/平野恭敬)

2019年2月26日、楽友会館2階講演室にて白眉第5期研究者の離任式が行われました。離任式典では山極壽一総長、湊長博理事をはじめ、白眉を支えていただいている学内外の先生方をお迎えし、白眉イベントの中でも極めて荘厳な雰囲気での進行となりました。山極総長、湊理事からは白眉研究者のあり方について、国内外でその存在が認められつつあるとお褒めの言葉をいただき、これからのさらなる飛躍を目指して激励のお言葉を頂戴しました。日本の大学研究のあり方についての訓話もいただき、我々のキャリアを考えるうえでもまたとない機会をいただきました。そのような中で、武内康則氏「契丹文字・契丹語の解読」、時長宏樹氏「海洋大気相互作用の視点から見た気候変動と気候変化」、Bill Mak氏「天文書Gārgīyajyotiṣaの出典と伝播」らが演壇に立ち、白眉研究者のプレゼンスを遺憾なく発揮していただいたことを、白眉在籍者一同、強く印象に残っています。

京大白眉は記念すべき10周年を迎えます。他の研究機関にも似た試みがありますが、「本家」の我々に及ぶことはないでしょう(私のような青二才が松本前総長の業績をパクるような書き方をして申し訳ありません)。我々が持つ白眉スピリッツとは何か?我々は過去の白眉研究者から何を引継ぎ、次世代に何を伝えるのか?今、現在の白眉研究者が最前線に立っているという意識のもと、交わらないはずの異分野研究者がどういうわけか京大白眉に集い、なぜかそこで英知を競い、誇り、認め合い、ときには真摯に貶し合い、更には新たな創造に着手する、そのような稀有な空気を培うことこそが白眉スピリッツと現状では結論つきました(か?)。これが可能なのは、選ばれた白眉研究者が高い意識と能力を兼ね備えているからです(でしょ?)。伝統的白眉スピリッツとは、おそらく「共鳴箱」です。この箱にワンワンと吠える猛犬たちが綿々と入っては出ていけば、10年後、20年後、京大白眉がノーベル賞受賞者を乱立すること間違いないでしょう。そんなことを話し合い、感じさせる離任式でした。

(ひらの ゆきのり)