船井哲良・船井電機(株)執行役会長との懇談(2010年6月1日/柳田素子)

山中先生とお目にかかった10日後、私たち白眉研究者は、世界的に有名な船井電機FUNAIの創業者で、現在執行役会長をつとめる船井哲良氏とお目にかかる機会をいただきました。 世界的に有名な方々と立て続けにお目にかかってお話を伺うという、望んでもなかなか得られない機会を作ってくださった吉川理事に感謝するとともに、私たち白眉研究者にさまざまな経験をさせて成長させようという京都大学の先生方の意気込みを感じて、身の引き締まる思いでした。

船井会長は、京都大学の桂キャンパスに船井記念講堂と船井交流センターを寄贈しておられますが、私たちはその記念講堂で会長にお目にかかることになりました。とても80歳代とは思えない足取りで会議室に入ってこられた船井会長は、若々しい声と巧みな話術で体験談に裏付けられた成功の秘訣をかたり、私たちはあっという間に引き込まれていきました。何よりも、ごく最近まで現役の社長として陣頭指揮を取り、84歳になられた現在も会長としてお仕事を続けておられることに感銘を受けました。会長は、戦後の悪条件の中での起業をチャンスととらえ、「40歳で5つの会社の社長になる」という明確な目標を掲げ、問題をひとつひとつクリアしてこられました。 そして、一分野で成功された後もそこに安住せず、常に新しい分野に挑戦し続けてこられました。

お目にかかるまでは、医師、そして研究者として生きてきた自分にどのように活かすことができるのか予想がつきませんでしたが、会長の逆境に立ち向かう勇気と闘争心、そしてつきない情熱に感動し、お話の最後には、会長から勇気を分けていただいたような気がいたしました。私たちは白眉研究者という大変恵まれたポジションをいただいて、研究に専念することを許されています。攻める姿勢と情熱を忘れず、夢の達成を目指したいという思いを新たにいたしました。また最後になりましたが、大変なご多忙の中、私たちのために時間をさいてくださり、ご自分の情熱のありかを語ってくださった船井会長には心よりお礼申し上げたいと思います。

(柳田 素子・やなぎた もとこ)